ロボット動作研究チーム
高齢化社会の現在,介護者の負担が増加しているのは明白な事実であり,介護者の負担を軽減するためロボット等のメカトロニクス機器を導入することが期待されています.当チームでは,当センターで開発中の介護ロボットで実現可能な介護動作を対象に,人の介護動作を解析し,ロボット・メカトロニクス機器で実現可能な運動モデルを構築することを目的としています.また,人の皮膚の柔らかさを考慮することにより,作業の実現性の向上を図ります.
研究課題
RIBAに適用する介護作業の動作計画
- テーマ1:被介護者にとって快適な介護作業の実現
- テーマ2:人間による介護作業のモデル化
- テーマ3:ロボット動作のモデル開発
介護作業の際には,RIBAは直接被介護者と接触することになり,動作によっては被介護者に負担をかけてしまうことが考えられます.本テーマでは,生体情報を計測することによってそのような被介護者にかかっている負担を解析し,肉体的および精神的な負担のかからない介護作業の実現を目指します.
人間は作業をするとき,無意識に安全で効率的な作業となるように動いています.本テーマでは,人間による実際の介護作業を計測および解析してモデル化し,RIBAの動作計画の基盤とします.
人間とRIBAの関節自由度や腕の長さなどは異なるため,テーマ2で解析した介護動作モデルをそのままRIBAに適用することはできません.そのため,人間の介護動作の中で,動作を成功する最も重要な動きのみを抽出してモデル化する必要があります.
RIBAの評価を行うための計測用被介護人形の開発
- テーマ4:人間の身体的機構を模倣した筋骨格モデルの構築
- テーマ5:人形にかかっている外力を計測するセンサ
人間と同じ動作が模倣できる筋骨格モデルを作成し,計測用人形の芯部とします.
被介護者にかかっている圧力やせん断力を計測するための,曲面に貼り付けることのできるセンサを開発します.
位相幾何学的概念を用いた非線形制御理論
人体モデルや柔軟な人口皮膚等は,従来の線形制御理論として扱うことができません.そのため,数理モデルの再検討を行い,非線形制御理論の構築を目指します.